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最後のマルマル

アニメ・ゲーム・声優などに関する我楽多雑文。研究者兼大学講師をやってます。

青の文学シリーズ「こころ」視聴後感想

先日、引っ越しに際して、昔の感想文などもこちらに引っ越そうかなと言いましたが、今見ると見るも無残、小学生並みの感想文しかありませんでした(今は中学生ぐらい)。今更、改めて載せるのも気持ち悪いですし、今は今で違った感想もありーので、結局はやめにしました。でも一つだけあげておきます。何となくです。

 

(2009年時の感想です)

 

 

アニメ視聴後、原作を読んで色々わかりました。

アニメはあれですね。
原作の登場人物と物語の流れを踏襲したオリジナルストーリーという捉え方でOKですよね?製作側の意図が恣意的であるといっても過言ではないと思います。

■Kについて
特に、Kについては恣意的が過ぎる気がしました。
私の昔の記憶は結構あたっていたようで、今回原作を読み返しても、アニメのK像はついぞ頭に浮かぶことはありませんでした。

まず、外見。容姿。
先生より女性に好まれる容姿であるとの記述や、坊主に近い髪型であることが原作から読み取れますが、アニメでは風来坊のような、快漢のような容姿です。
これは、アニメという視覚に訴える媒体を考えれば当然の演出といえばそんな気もしますが。

そして、何よりも中身です。
アニメの方はちょっと人間味が強すぎる気がします。
K視点の方は言わずもがな。先生視点のKにおいても、です。
もっと、私たち凡人にははかりかねるような…、Kはそんなイメージだったんです。
これは、原作を読み終えた今もそう感じでいます。
何よりも、アニメでは失恋、親友の裏切りで自殺したように捉えられる向きが強いように感じます。
原作ではもっと個人的な理由、個人の生き方にもその理由のウェイトが置かれているように私は感じました。
わかり易さでいえば、アニメの演出のほうが良いわけですので、これは余計な私の感想なわけですが(全部余計な感想というのは内緒)。

また、原作を読んだことにより、アニメのK視点は大変面白く素晴らしい試みだと改めて思いました。
正直、私のK像とはかけ離れすぎていたわけですが、平行世界のKだと思えば、それはそれでとても楽しい。
また、一種のKの捉え方でもあると思うのですが、私には到底ない捉え方であるわけで、そういう意味でも興味深いです。
個人的には狼狽するKは全く想像できないわけなんですけれども…。

アニメの前半の先生視点と、後半のK視点を足して二で割ったのが原作なのでは?・・・と思ったりもしたのですが、やっぱりちょっと違いますね。
どちらも、原作と同じだったり異なったりする点がバラバラで、やはり別物です。

Kの遺書の「今年の夏は温かかった」はアニメオリジナルということなのでしょうか。
これにより、若干LOVE要素が強くなった気がします。
やはり、製作側が狙ってますね。巧いこと考えるなーと感心しきりです。


■お嬢さん=妻
これも、アニメの方は恣意的なキャラクターであると思います。
K視点ではなく、先生視点にしても、お嬢さんの腹黒さはやはり目につく所かと。
原作もそのような点は散見されるのですけれでも、やはり「アニメ(K視点)>アニメ(先生視点)>原作」だと思うのです。
アニメではお嬢さんの顔が朱色に染まる場面がある分だけ、そう感じるのだと思います。
また、先生視点の「なぜ声をかけてくれなかったのか」もそうですし。
K視点にあっては、Kと寝て、さらには駆け落ちしようとしてますしね笑
(それが真意であったのか、Kをからかっていただけなのか、好奇心だけだったのかは
私には未だによくわかりませんが)

この青い文学は、「人間失格」でも「満開の桜」でもそうでしたが、男女間の生々しい描写があって、NTR属性持ちの私はすごい興奮してしまいます。「寝取られ」属性持ち、歓喜のシリーズ笑
総じて戦前の純文学には生々しい描写が多く、そのリアルさにのめり込んでしまいます。

閑話休題。ではなく、さらに横道に。
またいつもの愚痴なのですが、女性の思考なんてものがやっぱりわからないんです。
とらドラ』のみのりちゃんしかり。
作品に出てくる女性に会えば会うほど、本当によく解らなくなるというのが本音です。

■先生
先生もやっぱり、アニメの方が前面にマイナスイメージをうちだしている。
いやもう、登場人物四人全員が原作よりマイナスイメージの強調が激しい。
原作の方が、比較的肯定的に先生を受け入れられるというのは、遺書の前に「私と先生」「私と両親」なる話があって、先生に触れる機会が多かったからだと思います。
あのアニメは結局一時間ですからね。本当にクライマックスの一部ですよ。
美味しいとこどりなわけですが、やはりそこにはそれだけの理由があるわけで。


■最後に
以上のように、アニメ「こころ」は、原作と別物だといって良いでしょう。
PCゲームの「AIR」と、劇場版の「AIR」ぐらいの差でしょうか笑
アニメだけで原作を評価するのはやはりタブーですね。
原典にあたるという基本的で大事なことを改めて痛感した次第です。

原作は原作でもっと良い!という意見はあって然るべきだと思いますが、それにしても、今回のアニメはそれと同等の別物として素晴らしい。
何よりも解りやすく、噛み砕いて提供してくれたのが有難かったです。
このアニメに興味を持って原作を読んだ人は、また違った感想なりを必ず抱くでしょうし、そのような意味でも素晴らしい作品だと思います。
興味を持たせるという意味で成功していると思います。
第一に私が次の日、「こゝろ」を買いにいきましたしね!(ドヤァ